
今回は、STEINWAY & SONS(スタインウェイ&サンズ)ハンブルグ製 Model Bをご紹介します。
STEINWAY & SONS Model B
製造:ハンブルグ製
製造番号:438002(1974年製)
販売価格:1,590万円(税込)
今回のModel Bは、外装だけではなく、響板・弦・チューニングピン・アグラフ・ハンマーヘッド・ハンマーシャンクASSY・バックチェック・ダンパーフェルト・鍵盤ブッシングクロスなど、ピアノの音やタッチに大きく関わる部分にまで28項目にわたる修理・交換が施されています。
さらに、整調・調律・整音・鍵盤鉛調整まで行われています。
この記事では、実際にどこにどのような作業が行われているのか、修理・交換内容をできるだけ具体的に公開します。
「整備済み」だけでは分からない具体的な修理内容
中古ピアノを選ぶとき、
「オーバーホール済み」
「整備済み」
「リニューアル済み」
という言葉だけでは、実際にどこまで手が入っているのか分かりにくいことがあります。
そこで今回のModel Bについては、交換・修理した箇所を一つひとつ番号で表示しています。
掲載している写真にも同じ番号を付けていますので、実際のピアノのどの部分に作業が行われたのかをご確認いただけます。
【外装】見た目だけではなく、各部を丁寧に仕上げています



① 本体(ポリエステル塗装)
外装を部分的に塗装・バフがけしています。
② 鍵盤蓋内面(ポリエステル塗装)
鍵盤蓋内面を全塗装しています。
③ 大屋根(ポリエステル塗装)
大屋根を全塗装しています。
④ 譜面台・譜面台サイド(ポリエステル塗装)
譜面台・サイドを全塗装しています。
⑤ 屋根支え・レール反り止め
ラッカー艶消しで全塗装しています。
⑥ 上口棒
上口棒を全塗装しています。
⑦ 真鍮パーツ
蝶番やペダル等の真鍮パーツを磨き、錆止め塗装を施しています。
⑧ 鍵盤蓋純正STEINWAYロゴ
鍵盤蓋には新しく純正STEINWAYロゴを使用しています。
【響板・フレーム・弦】ピアノの音を支える部分
ここからは、外観からは見えにくい内部についてです。
グランドピアノの音を支えるうえで重要な、響板・フレーム・弦まわりにも作業が行われています。



⑨ 響板
響板塗装をして仕上げています。
⑩ フレーム塗装
純正金粉を使用してフレーム塗装をしています。
ピアノを開けたときに目に入るフレームは、ピアノ全体の印象を大きく左右する部分です。
⑪ 弦番手・シリアル印刷
弦番手のシリアル番号をフレーム塗装後に印字しています。
⑫ 弦圧(駒圧)調整・張弦作業
弦圧(駒圧)の調整を行い、張弦作業を行っています。
ピアノの弦は、ただ新しいものに交換すれば終わりというものではありません。
弦・駒・響板など、それぞれの関係を考えながら仕上げていくことが重要になります。
⑬ 巻線
低音部の巻線には、
レスロー(RÖSLAU)・デーゲン(DEGEN)
を使用しています。
⑭ 芯線
芯線には、
レスロー(RÖSLAU)
を使用しています。
⑮ チューニングピン
ディアマント 7.25
のチューニングピンを使用しています。
チューニングピンは、弦の張力を支え、調律の安定性にも関わる重要な部品です。
⑯ アグラフ
STEINWAY純正アグラフを使用しています。
⑰ 弦まくら
弦の下に敷く弦まくらをカットして新しくしています。
⑱ 止音フェルト
STEINWAY純正止音フェルトを使用しています。
【アクション】演奏者の指先に直接つながる重要な部分
グランドピアノのタッチやコントロール性に大きく関わるのが、鍵盤からハンマーまでをつなぐアクションです。
今回のModel Bでは、このアクション関係にも大きく手が入っています。

⑲ アクションブラケット塗装
アクションブラケットを塗装しています。
⑳ ハンマーヘッド
STEINWAY純正ハンマーヘッドを使用しています。
ハンマーヘッドは、弦を直接打弦する重要な部品。
音色や発音のキャラクターにも大きく関わる部分です。
㉑ ハンマーシャンク・フレンジ・ローラー
STEINWAY純正パーツを使用しています。
ハンマーシャンク、フレンジ、ローラーを交換しています。
ハンマーヘッドだけではなく、その動きを支える部分まで手が入っていることが、このピアノの大きなポイントです。
㉒ レットオフボタン
レットオフボタンのガタ付き修理を行っています。
レットオフは、ハンマーが弦に近づいたところで離れる位置を決める重要な調整部分です。
㉓ バックチェック
STEINWAY純正バックチェックに交換しています。
バックチェックは、ハンマーが弦を打った後の動きを受け止め、連打性やタッチ感にも関わる重要な部品です。

㉔ ダンパーフェルト
STEINWAY純正ダンパーフェルトに張り替えています。
ダンパーは、ペダル操作や鍵盤操作によって弦の振動を止める重要な役割を持っています。
【鍵盤】演奏者が直接触れる部分



㉕ フロント・バランスブッシングクロス
フロント・バランスブッシングクロスを張り替えています。
鍵盤の動きを支える部分であり、鍵盤のガタつきやタッチ感にも関係する重要な部分です。
㉖ フロント・バランスパンチングクロス
フロント・バランスパンチングクロスを交換しています。
㉗ ペーパーパンチング
ペーパーパンチングを交換しています。
鍵盤の高さや深さなど、数種類の厚みの紙を使っています。
㉘ 象牙鍵盤
象牙鍵盤は、漂白・研磨を行っています。
長く使われてきた鍵盤だからこそ、素材の状態を見ながら丁寧に仕上げています。
【最終調整】
・整調
・調律
・整音
・鍵盤鉛(ウエイト)調整
修理を終えた後、88鍵すべてわたり、最終的な調整を行ないます。
ピアノは、一つの鍵盤を押すだけでも、鍵盤からアクションの各部品へ動きが伝わり、それぞれの部品が決められたタイミングと位置で動くことで、ハンマーが弦を叩きます。
その一つひとつの動きや位置を88鍵にわたって揃え、鍵盤ごとのばらつきを整えていきます。
さらに調律によって音程を整え、整音によって音色や音量を整える。
演奏者が鍵盤に込めた意図を、音として思い通りに表現できるように。
そのための最終的な仕上げを行なっています。
「交換した部品」だけではなく、「弾いたとき」を大切に
ここまでご紹介したように、このModel Bにはさまざまな修理・交換作業が行われています。
しかし、ピアノは部品の名前だけで評価できるものではありません。
最終的に大切なのは、
音がどう響くのか。
鍵盤を押したとき、どのようなタッチが返ってくるのか。
弱く弾いたときにどこまで表現できるのか。
強く弾いたときにどのように音が広がるのか。
そして、
弾いていて気持ちいいと感じるか。
これは、写真や文章だけでは分かりません。
だからこそ、このピアノに興味を持っていただいた方には、ぜひ実際に弾いていただきたいと思っています。
STEINWAY & SONS Model B ハンブルグ製
製造番号:438002
販売価格:1,590万円(税込)
ピアノを弾く方にとって、スタインウェイは一度は憧れる存在かもしれません。
その中でもModel Bは、コンサートホールだけでなく、個人の演奏環境でも選ばれてきた代表的なグランドピアノのひとつです。
今回のModel Bは、外装だけでなく、弦・アクション・鍵盤・ダンパーなど、演奏に関わるさまざまな部分に手が入っています。
「スタインウェイが欲しい」
という方はもちろん、
「自分が納得できる一台を探している」
という方にも、ぜひ実際に弾いていただきたいピアノです。
試弾について
こちらのSTEINWAY & SONS Model Bは、試弾可能です。
ピアノは、同じメーカー・同じモデルであっても、一台一台音もタッチも異なります。
購入を検討されている方は、ぜひ実際に弾いて、音とタッチをご自身で確かめてください。
ご興味のある方、試弾をご希望の方は、下記お問い合わせフォームよりご連絡ください。
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