調律で終わらない調律師みきあつしのピアノ工房

ピアノのこと

カワイの鍵盤

工場で黒檀仕様にカスタムされた黒鍵

シゲルカワイSK-3定期メンテナンス
黒鍵の本黒檀カスタム仕様

通常の黒鍵が嫌だから黒檀にしたいとのオーナー様の要望で、工場で最初から黒檀仕様にしていただいたピアノです(費用別途)



ピアノのサイズと鍵盤の長さ

ピアノはサイズによって鍵盤の長さが変わってきます。
グランドピアノの場合は、サイズ(奥行き)が大きくなるに連れ、鍵盤の長さも長くなります。

鍵盤はテコの原理で動くので、シーソーをイメージすると分かるかと思いますが、鍵盤が長いほど鍵盤の奥にあるアクションを持ち上げる力が少なくて済み、弾いた時にタッチが軽く感じます。(アクションの調整がきちんとされていることが前提)

逆にピアノのサイズが小さく(奥行きが短く)なると、鍵盤の長さも短くなり、長い鍵盤と比べると弾いた時のタッチは重く感じます。
また鍵盤の先の方で弾いた時は軽く感じても、鍵盤の奥の方(白鍵でいうと黒鍵と黒鍵の間)で弾いた時に重く感じるのがコンパクトサイズのデメリットだと思います。


鍵盤を軽くしたい

20年以上現場経験のある私ですが、お客様のリアルな声を言いますと、

「カワイはタッチが重いから軽くならないか?」

とカワイユーザーから9割以上言われます。

ここで初めてピアノのサイズと鍵盤の長さの関係とメーカーが設定している鍵盤のアップダウン数値を知り、そういうことかとご理解いただいた上で、ピアノのサイズは変えられないから今できることで最大限鍵盤を軽くするように調整しています。

具体的には、部品同士の摩擦抵抗を極限まで減らし、鍵盤やアクションを正常な状態に調整(整調)します。かなり時間を要する作業ですが、ほとんどの方はここで満足される方が多く、更に軽くしたい場合は、鍵盤のウエイト調整に入ります。

鍵盤を極限まで軽く調整したシゲルカワイユーザーのお客様の声


長くなったカワイの鍵盤

現在のカワイの鍵盤は、一昔前に比べて鍵盤が長く設計されています。
先に書いた通り、シーソーが長くなることによりコンパクトサイズでも鍵盤が長いので軽快なタッチになります。特に鍵盤の先の方と奥の方で弾いた時の重さの差が少なくなります。



カーボンファイバーを採用したアクションや、ピアノ全体音量を40%下げるピアノマスク、そして鍵盤を長くする等、カワイメーカー独自の画期的な発想と戦略方法で、近年ショパン国際ピアノコンクールなどで使用され世界中で注目を浴びているカワイ。今後の活躍が楽しみです。