
三木さんに調律してもらったあと。
音を言葉で表すということは難しいことですが三木さんの調律後の音はただ素敵だと言ってしまっただけでは収まらないような気がする。
新しく生まれ変わったというか初めての人に出会ったような感じ。
台所で卵を調理をするときボールを用意し、叩いて割るときのちょっと緊張し期待した感じ。
または海の底で錆びて眠って居た鉱物質の物体が引き上げられ別の物体になって海面に現れでたという。
などなど例えればいくらでも言い表せますが 要は そのときめきは調律をしてもらったあとの鍵盤から溢れ出る音の優しさです。
豪華であったり 物悲しかったり 憂いや緻密さ 華やかさであったり。
娘が嫁に行き残していった昭和40年のアップライトのピアノ。
幼い時、10代 20代 50代 そのときどきピアノの蓋を開けてはみたがどうしても続かなかった。
70歳のとき夫が亡くなりそれまで続けることができなかったピアノに真剣に向かうようになった。
老いて孤独な私に生きる応援をしてくださった方の一人に調律師の三木さんがいてくださった。
いま86歳 今後いつまで続けられるかわからないが氏の技術に助けられながら出来るところまで頑張っていこうとおもう。
2023.1.24
片岡暁美