調律で終わらない調律師みきあつしのピアノ工房

お客様の声

兵庫県多可郡 佐々木要子様/ウェンドル&ラング121

三木さんのピアノ調整調律に思うこと

    日本は職人の国だと思う。ドイツのマイスターや、ベルギーのダイヤモンドカットの職人技も有名であるけれど、日本の国で受け継がれてきた、伝統の、感覚と身体で習得していく職人技は、世界に誇る日本の価値の一つであることに疑いはない。三木さんのピアノ調整調律は、まさに、日本の職人さんが行き着く親方の領域に達していることは、自分のピアノを調整調律してもらった人は、皆気がつく。

    ピアノという生きている楽器のメカニズムを知るというのは、調整調律の第一歩であるかもしれない。それから鋭く感性を磨いていき、微妙な音のニュアンスの違いを聞き取り、この楽器を成している全てのマテリアルを知り抜いた上で、それを調整調律する技を習得するというのは、ほかのどんな職人仕事と比べても、難易度のとても高い仕事に思えるのである。

   一台一台個性のあるそれぞれのピアノと対話しながら、そのピアノの最高に美しい音を導き出してくれる三木さんは、ピアニストにならずに、ピアノの技術者になった。毎回別のピアノと対峙しながら、最高の音を奏でさせる三木さんの満足感というのは、もしかしたらピアニストが感じ得る満足感をはるかに超えているのかもしれない。三木さん、ありがとう。もっと真面目にピアノの練習します。